復縁屋依頼前の心構え - 成功を前提にするな

私、カトウがここで主張したいのは、依頼後「必ず成功する」ことを前提にするのはやめた方が良い、ということである。

カトウは依頼人としての立場も、探偵としての立場も、両方経験しているためこの点は自信を持って言える。 依頼人の立場からしたら、「プロに頼んだのだから、高いお金を出しているのだから、必ず成功する」と考えてしまう気持ちもわかる。むしろ「成功してくれなければ困る」という気持ちであるのもわかる。

その上、悪徳な業者に依頼をしてしまった場合は、相談時や面談時には依頼人にとって耳触りの良い言葉しか並べず、過去の実績を、高確率(70?80%)で成功している、と言ってのけることもあるようだ。そのような言葉であおられれば、失敗したときのことなど考えなくなるであろう。

そのようなことを言ってのける業者の多くは契約時に着手金を一括で支払わせることを目的としており、返金できないシステムになっているため、相談者に耳触りの良いことばかりを伝えるのである。つまり着手金目当てなのである。

復縁屋の成功率はあてになるのか?

そもそも、探偵であったカトウは常々疑問に思うのだが、過去の実績をパーセンテージに置き換えることに何の意味があるのであろうか?はっきり言って無意味である。
調査や工作は人間をターゲットとして行うものである。似たような案件は過去に存在しても、対象者が同じ人物であるわけではないのだ。 当たり前のことだが、この世には一人として同じ人間は存在しない。クローンを作ったとしても遺伝子情報が同一なだけで、全く同じ思考回路を有する人間を作ることはできないそうだ。対象者が違えば、とる行動は千差万別である。似た思考回路、行動パターンを有する対象者は存在するであろうが、あくまで似た人である。

そもそも確率を算出するためには、同じ条件、同じシチュエーション、同じ対象者、同じ関係者でなければ導き出すことはできないはずである。 良くも恥ずかしげもなく70?80%などと言える業者が存在するものだと元探偵としては呆れるばかりだ。 このように、人間をターゲットとする限り、何一つとして確実なものは存在しないのである。

探偵として経験を積むことはできる。しかしその経験は、対象者は必ずこう動く、という予測ができるようになるということではなく、どのような場面でも動じずに最善の策を即座に選択できるということなのだ。経験を積めば積むほど多くの人間を見ることになる。同じ人間など存在しない、過去の案件と同列に並べることは危険だ、と考えるようになるのが探偵という職業である。

だから、私からすれば「パーセンテージなど何をかいわんや」なのである。

依頼をしたのだから、成功を願うことは当たり前のことである。それが依頼人の人情であろう。 しかし、プロの探偵も先を完璧に読むことはできない。どのような事態が待ち受けているかわからないのである。常識的に考えてこのようなことは起こらないであろうということに限って、調査中に起こることが多々ある。

信頼できる探偵程、シビアなものである。 依頼人にとって耳触りの良い言葉ばかりを並べないであろう。 何故なら、客観的に物事を見ることに徹し、様々な要素を考慮するからである。 最悪のケースを依頼人に契約時の段階で伝えることができる探偵こそ、信頼するにふさわしい探偵であるとカトウは思うのである。

信頼できる探偵社に相談や面談に言った場合は【最悪のケース】も伝えてくれるはずである。依頼人の立場としてはつらいかもしれないが、目を背けずにそのような結果が待ち受けているかもしれないという覚悟はしておくべきである。