復縁屋とのトラブル

金を積みさえすれば復縁は必ず成功する。 かつて、カトウもそう信じ切っていた時期がある。 しかしそれは間違いである。

大切な相手との別れを経験し、意気消沈し、動揺しながら業者選びをすると必ず見落としがある。藁にもすがるような思いで業者選びをしていることを、また業者側もわかっているのだ。
だから、飛びつくような「絶対復縁できます」とか「今やれば復縁できるけど、明日になったらもうできない」というような通販の謳い文句のようなフレーズばかり並べてくる。
そして、悲しいかな冷静でないときにはそういった根拠のない言葉でも自信たっぷりに言われてしまうと信じて頼ってしまうのだ。

しかし、誰が復縁するの?という話。 そう、復縁屋が相手と復縁するのではなく、相談者自身が相手と復縁するのだ。 その相談者が自分の意思も持たずにフラフラと業者の言いなりになって、果たして相手がまた自分のことを好きになってくれるのか、ということを今一度考えなおしたほうがいいだろう。

復縁屋とのトラブル事例

予算1,000万円の客が業者と揉めた話がある。 何を揉めているのかといえば、もう復縁の工作を終了しようと提案している業者側と、もっとお金を出すから復縁を目指してくれと言う揉め方。
一般的に業者と揉めるというと、もう資金がないのに無理やり追加費用を請求されたり、成功の見込みが明らかにないのに無理やり工作を続けようとして依頼人がやめたくてもやめられないという事態に陥るという話はよく聞く。

しかし、今回のケースではその逆といってもいい。
なぜこのような状況になってしまうのだろうか?

答えは簡単だ。
依頼をさせる際に、業者は「絶対に成功する」「最低でも相手と友達関係にまでは戻れる」「予算が高ければ失敗などあり得ない」などと甘い言葉を並べ、『ああ、お金さえ出せば絶対に成功してくれるんだ』と信じ込ませたのが原因だ。 ようは、業者としては成功できないということが工作の途中でわかったわけだ。しかし、依頼人は成功するまで続けてくれと言うわけ。

そりゃお金さえ出せば成功すると言われて契約しているのだから、依頼人はそうするだろう。 予算が1,000万円という超がつく大型の相談者、なんとしても依頼してもらいたかったというのはわかる。しかし、嘘を言ってしまっては駄目だ。それは詐欺になる。

しかし、実際には契約書に「絶対に成功させます」といった言葉は載っていない。後から「あの時担当さんが、絶対に成功すると言ってくれたから依頼をしたのに・・・」と訴えたところで言った言わないの水掛け論はあまりに不毛すぎる。
依頼者としての経験もあるカトウとしては、心の底から言える。 絶対などということはない。 実際にカトウの復縁は成功しなかった。 辛いことだがこれが事実だ。

大事なのは、依頼人と業者が一つの復縁に向けて足踏みをそろえて歩んでいけるかどうかだと思う。 カトウが所属していた会社も、成功することもあれば失敗することもあった。 その違いはターゲットらの違いや予算の違いや理由は様々だが、共通していえることは成功するケースでは依頼人とこちらの意志疎通が取れていたし、なんというか呼吸が合うのだ。
仕事として出会っているわけだから綺麗事は言いたくない。しかし、昔からの馴染みのような感覚を覚える時が我々復縁屋にもあるのだ。そして、そういう時の案件の安定感、スムーズ加減、成功へのホップステップジャンプはそういった精神論的な目に見えない力が働いているようにも思える。

実際にその成功の波に乗ったことがあるからこそそう感じた。なかなか、理解してもらえないかもしれないけどね。

復縁屋の余談

余談になるが、一つ話を。
「ときには真珠のように」
これはカトウが敬愛する手塚治虫先生の著書、「ブラック・ジャック」の29話目の題名だ。 どんな話かは割愛するが、色々と考えさせられる回なのでお暇があれば是非読んでもらいたい。

人は、なんでもかんでも思い通りにしようとなりがちだが、おこがましい話だ。 どれだけ願っても永遠の命など手に入らないし、30過ぎてから野球選手を目指そうと思っても無理があるし、運命の相手だと信じていてもその人と復縁できない事はある。
しかし、想いが強ければ、ときには真珠を作り出すように不思議な力を発揮するのもまた人間の底なしの力のうちの一つなのだとカトウは信じている。